関電不動産開発 首都圏事業本部 オフィス

2026.05.29

スマートオフィスとは|導入のメリット・効果、
デメリット例を解説

本記事では、スマートオフィスの導入に興味がある、もしくは検討している方へ向けて、「スマートオフィス」の定義やメリット・効果、デメリット例についてまとめています。

01.

「スマートオフィス」とは

スマートオフィスとは、IoTやAIなどの最先端技術を活用し、さまざまな側面で業務の「効率化」を図る職場環境のこと
例えば、以下の点において新旧オフィスを比較し、環境改善の実現を目指します。

  • 知的生産性
  • 業務効率
  • ランニングコスト
  • エネルギー効率

また、スマートオフィス化の取り組みを通じて、社員が柔軟に働ける環境が整うとエンゲージメントの向上に寄与し、
その結果、優秀な人材の獲得や離職防止につながりやすくなることが考えられます。

以下の記事では、就活生がオフィス(働く環境)に求めるポイントについてアンケート結果をまとめています。 関連記事:
学生こそ“オフィス環境の充実”を求めている 
―新卒で優秀な人材を獲得するために―
(※2023.10.23掲出)

続いて、「スマートオフィス化」の具体的な取り組みとその効果の例を、一覧形式でまとめました。

【具体的な取り組み&効果例 一覧】
カテゴリー|取り組み 具体例 効果例
IoT・AIの活用 Web会議システム
  • リモートワークに対応でき、多様な働き方の実現
  • 出張費、交通費などのコスト削減
フリーアドレス座席の管理
  • リアルタイムでの確認や予約の利便性の向上
  • ハイブリッドワークなどの多様な働き方の実現
  • 柔軟な働き方実現による、エネルギーコストの削減
会議室やトイレ、カフェなどの使用・混雑状況の可視化
  • リアルタイムで空き状況の確認が可能
  • 会議室の不要な予約の抑制
温度や湿度の可視化・管理
  • 職場環境の快適性の向上
  • 温度・湿度管理が必要な部屋での、確認負担を削減
  • エネルギーコストの削減
オフィス用備品の在庫を検知し、補充の必要性の通知
  • 確認負担の削減
バックオフィス業務のデジタル化 データ分析の自動化
  • 業務効率化による、人件費削減
  • 異常検知による人的ミスの回避
  • 属人化の解消
手続き業務のペーパーレス化
  • リモートワークに対応でき、多様な働き方の実現
  • 柔軟な働き方実現による、エネルギーコストの削減
  • 紙やインク等消耗品のコスト削減
  • 保管スペースの削減
経費精算関連のクラウドの導入
  • 業務効率化による、人件費削減
  • 不要な印刷物の削減
  • 情報の検索・共有の利便性向上
  • 異常検知による人的ミスの回避
  • 属人化の解消
  • 保管スペースの削減
セキュリティの自動化 AIカメラで顔認証による入退室管理
  • 受付の無人化による、人件費削減
  • 来社した人物をリアルタイムで把握可能

02.

「スマートオフィス導入」の
メリット・効果例

スマートオフィス導入で期待できるメリット・効果の例として、以下が挙げられます。

【スマートオフィス導入のメリット・効果例】

  • 知的生産性の向上
  • 業務効率の改善
  • ランニングコストの削減
  • エネルギー効率を高める

次に、それぞれの具体的な内容について解説します。

image photo

メリット① 知的生産性の向上

フリーアドレスを導入してレイアウトのバリエーションを広げると、集中して作業したいときは静かな個室ブース、アイデア出しをしたいときはオープンスペースといったように、社員一人ひとりが業務内容や気分に合った場所で働けるようになります。
知的生産性向上の鍵となる集中力やモチベーションが高まりやすくなる。

また、部署を越えた偶発的なコミュニケーションも生まれやすくなり、新たなアイデアやイノベーションの創出も期待できます。
更に、温度・湿度・CO2濃度などをIoTセンサーで自動制御し、常に快適な環境を維持できる高度な空調を導入する事で、社員の生産性を引き出す事も可能。
「働きやすさ」を向上することで、個々の知的生産性の向上を図ることができる。
→社員エンゲージメントの向上や「出社したくなるオフィス」の実現にもつながると考えられる。
フリーアドレスと似た概念、ABWについて知りたい方は以下の記事をご覧ください。 関連記事:今、オフィスの主流になりつつある「ABW」とは?(※2023.12.18掲出)

メリット② 業務効率の改善

会議室予約システムを導入することで、空き状況をリアルタイムで確認でき、予約や調整の手間を削減。
さらに、経費精算や勤怠管理をクラウド化すれば、紙の書類のやり取りや承認プロセスもスムーズになり、リモートワーク中でも申請・承認が完結します。
また、AIカメラによる顔認証で入退室管理を自動化すれば、受付業務の無人化が可能になり、来訪者対応にかかる時間も短縮。
こうした業務のデジタル化・自動化の積み重ねにより、社員はより付加価値の高い業務に時間を使えるようになると考えられます。

メリット③ ランニングコストの削減

スマートオフィスの導入には初期費用がかかるものの、長期的な視点で見ると大幅なランニングコストの削減につなげる事が期待できます。

【削減が期待できるコストの例】

  • オフィス賃料
  • 光熱費
  • 通勤費
  • 紙・印刷コスト

例えば、リモートワーク環境を整備することで出勤人数を減らし、オフィス規模を縮小すれば賃料の削減が可能です。
また、業務効率化に伴う残業時間の減少により、通勤費の削減も期待できます。こうした点は、スマートオフィス化のメリットとして一般的に挙げられます。

メリット④ エネルギー効率の向上

人感センサーと連動した照明・空調制御を導入すれば、人がいないエリアの電力消費を自動で削減。
また、温度・湿度・CO2濃度を常時モニタリングし、必要に応じて自動で換気や空調を調整することで、無駄なエネルギー消費を抑えながら、快適な環境を維持できます。
こうした、IoTセンサーやAIを活用したエネルギー消費の最適化は、スマートオフィス化の主要なメリットの一つです。

コスト削減に加え、SDGsの取り組みとしても評価されやすく、企業価値やブランドイメージの向上にも貢献。
企業のSDGsなどの取り組みとして、近年注目が高まっているサステナビリティ経営について、知りたい方は以下の記事をご覧ください。 関連記事:オフィスから考えるサステナビリティ経営(※2023.3.31掲出)

ゼロカーボンや、セットアップオフィスなど、トレンドを押さえたオフィスを探したい方は、以下のページをご覧ください。 オフィス検索:https://office-kanden-rd.com/office/

03.

「スマートオフィス導入」の
デメリット例

スマートオフィス導入のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

【スマートオフィス導入のデメリット例】

  • 必要なシステムやツールの導入に初期費用がかかる
  • 新しい環境に慣れるまで、周知や移行に手間と時間が必要
  • セキュリティへの対策を考える必要がある

以下、それぞれの具体的な内容について解説します。

image photo

デメリット① 
必要なシステムやツールの導入に初期費用がかかる

必要なシステムやツール導入の際には、既存環境からの切り替えも含め、初期費用が発生します。
そのため、あらかじめ予算を算出し、複数の見積りを比較しながら検討することが重要です。
また、想定している予算を上回る場合は、業務の棚卸を行い、解決したい課題の優先順位を整理した上で、導入範囲を絞ることをおすすめします。

デメリット② 
新しい環境に慣れるまで、周知や移行に手間と時間が必要

新しいツールやシステムを導入すると、社員がそれに慣れるまでに一定の時間が必要です。
特にITに不慣れな社員にとっては負担となり、業務効率が一時的に低下するケースもあります。
スムーズな移行を実現するためには、以下のような対策が有効。

  • 導入前に社員へ目的やメリットを丁寧に説明し、納得感を得てから進める
  • マニュアルやFAQを事前に整備する
  • 操作研修や説明会を実施し、不明点をフォローできる体制を整える
  • ヘルプデスクや問い合わせ窓口を設置する

新しい仕組みは「導入して終わり」ではなく、「定着させるまでがプロジェクト」と捉えることが重要です。

デメリット③ 
セキュリティへの対策を考える必要がある

AIやIoT技術を導入するにあたり、セキュリティへの対策は慎重に検討する必要があります。
サイバー攻撃や、ウイルス感染によって機密情報や重要情報の漏えいを防ぐためには、以下のような対策を講じることが重要です。

【セキュリティ対策例】

  • 通信の暗号化‐VPNの導入
  • ID/パスワード管理の強化(多要素認証の活用)
  • 顔認証など生体認証による入退室管理
  • ウイルス対策ソフトの導入と定期的なアップデート
  • 社員へのセキュリティ教育の実施、リテラシーの強化
  • アクセス権限の適切な設定

04.

スマートオフィス導入に
失敗しないためのポイント

スマートオフィス導入に失敗しないために押さえておきたい主なポイントは、以下の通りです。

【スマートオフィス導入に失敗しないためのポイント】

  • 業務の棚卸を行い、
    社内の課題を分析する
  • 難易度の高いものからではなく、
    段階的に導入する
  • マニュアルやサポートが
    充実しているツールを選ぶ
  • 外部の専門家の活用を検討する

社内分析を行わずイメージだけで導入すると、不要な機能を取り入れ、余分なコストが発生する可能性があります。
アンケートやヒアリングなどを通じて、現場の声に耳を傾けることで、本当に必要な機能を見極めることが可能。

難易度が高いものやマニュアル・サポートが十分でないものをいきなり導入すると、不具合が発生した際、適切に対応が出来ずトラブルシューティングに時間を要し、
本来の業務に支障を来たす恐れがあります。
そのため、導入は計画に基づき段階的に進めることが肝要。既存のシステムやサービスとの連携が可能かどうかについても慎重な判断が求められるため、
外部の専門家を活用することで、よりスムーズな導入が期待できます。

05.

スマートオフィス導入事例

スマートオフィス導入の想定事例を、以下の通り3点紹介します。

  • 事例1
    「フリーアドレス」と「座席管理システム」を導入し、社員が出社したくなるオフィスの実現を図ったA社
  • 事例2
    「人感センサー」による空調・照明の自動制御を導入し、光熱費の削減と快適なオフィス環境の両立を目指したB社
  • 事例3
    「ペーパーレス化」を目的に電子化やクラウドを導入し、コスト削減とリモートワークなど多様な働き方を実現したC社

事例1 : 社員が出社したくなるオフィスの実現を図ったA社

フリーアドレスと座席管理システムを導入し、社員が出社したくなるオフィスの実現を図った事例です。

導入内容
  • フリーアドレスオフィスへの移行
  • 座席管理システム
    (在席状況の可視化ツール)の導入
  • 集中ブース・
    コミュニケーションスペースの設置
導入前の課題

A社はテレワークの定着により、固定席の空席が目立つようになっていました。

一方で「誰がどこで働いているかわからない」「出社しても話したい人と会えない」といった声が社員から挙がっており、出社する意義が薄れている状態でした。

導入後の効果

A社では、フリーアドレスへの移行とあわせて、社員の在席状況をリアルタイムで確認できる座席管理システムを導入しました。

その結果、「コスト削減」と「社員エンゲージメント向上」を両立しています。

また、オフィス面積を約30%縮小し、賃料や光熱費を抑えつつ、集中ブースやリフレッシュスペースを充実させたことで、社員が自然と出社したくなる環境へと変化しました。

さらに、部署を越えた偶発的なコミュニケーションから新たなアイデアが生まれ、社員一人ひとりが業務に応じて働き方を選択する、自律的な企業文化の醸成にもつながっています。

事例2 : 光熱費の削減と快適なオフィス環境を目指したB社

人感センサーを活用し、空調・照明の自動制御を実現することで、光熱費の削減と快適なオフィス環境の両立を目指した事例です。

導入内容
  • 人感センサーによる空調・照明の自動制御
  • 環境センサー(温度・湿度・CO2濃度)の設置
  • センシングデータの可視化・分析
導入前の課題

B社では、誰もいない会議室で照明や空調がつけたままになっているケースが多く、光熱費の無駄が課題となっていました。
また、会議室ごとに温度差があり、「暑い・寒い」といった不満の声も社員から多く寄せられていました。

導入後の効果

人感センサーと環境センサーを組み合わせて導入したことで、人がいないエリアの照明・空調が自動でオフになる仕組みを構築し、年間の電気代を約20%削減することに成功しました。

さらに、温度・湿度・CO2濃度を常時モニタリングし、自動で空調や換気を調整することで、常に快適なオフィス環境を維持しています。
これにより、従来は人が巡回して行っていた消灯や空調管理の作業からも解放され、管理者は本来の業務に集中できるようになりました。

加えて、蓄積されたセンシングデータを分析することで、利用頻度の低いエリアや混雑する時間帯を把握し、オフィスレイアウトの最適化にも活用されています。

事例3 : コスト削減と多様な働き方を実現したC社

ペーパーレス化を目的に電子化やクラウドを導入し、コスト削減に寄与し、リモートワーク選択の拡充など多様な働き方を実現した事例です。

導入内容
  • 電子契約・電子請求書システムの導入
  • 経費精算クラウドの導入
  • ワークフローの電子化
  • 書類のスキャンおよび電子保管
導入前の課題

C社では、契約書や請求書、社内申請などすべてが紙ベースで運用されており、押印のためだけに出社せざるを得ない状況が発生していました。

また、書類の保管スペースが年々増加し、オフィスの一角がキャビネットで占有されている状態でした。

導入後の効果

ペーパーレス化を段階的に進めたことで、紙・インク・印刷機のリース代などの消耗品費用を年間で大幅に削減しました。
さらに、書類の保管スペースとして使用していたエリアをコミュニケーションスペースへと転用することも可能になりました。

契約や申請業務がすべてオンラインで完結するようになったことで、「押印のためだけに出社する」必要もなくなり、リモートワークにも完全に対応しています。

また、書類の検索や共有が容易になり、申請から承認までのリードタイムは約50%短縮されました。

さらに、アクセス権限の適切な管理により紛失リスクが低減し、情報セキュリティも向上しています。
柔軟な働き方が可能になったことで、社員のワークライフバランスが改善され、離職率の低下にもつながっています。

ゼロカーボンや、セットアップオフィスなど、トレンドを押さえたオフィスを探したい方は、下記のページをご覧ください。 オフィス検索:https://office-kanden-rd.com/office/

むすびに

2026年度、オフィスサイトをリニューアルして初となるThink!Officeのコンテンツは本記事から舵を切りました。
カテゴリーはWork Place、題目は“スマートオフィスとは”です。わたしたちが考えるスマートオフィスは、テクノロジーの活用とプライバシーの保護を両立し、
社会の誰もが安心してのびのびと働き、挑戦と成長を続けられる土台、そして環境であると思っています。
関西電力グループの不動産会社であるからこそ出来ること、そして求められることを、社会の一員としてこれからも考えて参ります。
今後とも歩みを進めて参りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。